よくある質問 – 特定非営利活動法人北九州診療放射線技師会

地域住民の方に対して放射線に関する講演活動や広報活動を行ない、北九州市の救急医療体制への協力、医療被ばく相談などの活動を行っています。

特定非営利活動法人北九州診療放射線技師会

よくある質問

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怖くはありません。

放射線と聞くと、怖いような気がするのも無理はありません。

放射線は、便益とリスクの2面性をもった両刃の剣にほかなりません。

通常医療で用いる放射線は、被ばくによる健康被害をおこすほど多いものではありません。

医療に利用する場合は、患者さん個々に対して便益とリスクを考え、便益がリスクを大きく上回る場合にだけ、放射線を利用しますので、安心してください。

本当です。

私たちが生活している環境には、宇宙から降り注いでいる高エネルギーの粒子(宇宙線)や大地にある放射性核種などから発生する様々な放射線が存在しています。

私たちは、毎日、少ない量ですが、放射線を浴びながら生活しています。

飛行機で東京-ニューヨーク間を1回往復すると、0.2mSv(注1)程度の被ばくをします。

また、自然放射線による被ばく線量は、場所によって異なりますが、世界平均で1年間2.4mSv(注2)程度になります。

注1)mSv(ミリシーベルト)放射線が、人体に及ぼす影響を測る物差しである実効線量の単位1Svの1000分の1。

注2)UNSCEAR(原子放射線の影響に関する国連科学委員会)

診療放射線技師会では、患者さんが確実に妊娠している可能性がある場合は、なるべくX線検査を行わずに他の検査を行います。

しかし、妊娠初期には、本人も自覚していないことが多く、X線検査を受けて微量ですが、被ばくをすることもあります。

また、妊娠中でも病気の治療に検査が必要な場合は、X線防護を行ってX線検査を行います。

放射線被ばくによる胎児への影響はに、表に示すものがあり、時期により影響は異なります。

これらの影響は、確定的影響と呼ばれ、しきい線量が存在し、おなかの中の胎児が、このしきい線量以上の被ばくをしたときにしか起きません。

腹部X線撮影による胎児の被ばく線量は、表に示す通り、1.4mGy(注1)程度ですから、このしきい線量(100~200mGy)よりはるかに少ない線量なので、これらの影響を心配することはありません。

確定的影響には、その他に白内障、脱毛や不妊などもありますが、通常のX線検査の線量では、これらの障害は起こりません。

注1)mGy(ミリグレイ)放射線が物質に与えたエネルギーを表す吸収線量の単位 1Gyの1000分の1。

胎児への影響としきい線量(ICRP Pub 60)

時期影響しきい線量(mGy)
受精~15日流産100
受精後2~8週奇形100
受精後8~15週精神発達遅延100~200

妊娠中における主なX線検査による胎児の被ばく線量(ICRP Pub 84)

検査の種類平均的な線量(mGy)
胸部X線撮影<0.01
腹部X線撮影1.4
頭部X線撮影<0.01
腰椎X線撮影1.7
骨盤X線撮影1.1
胃透視検査1.1
注腸検査6.8
頭部CT検査<0.005
胸部CT検査0.06
腹部CT検査8.0
骨盤CT検査25.0

胸部疾患で治療を受けておられる患者さんでは、場合によっては、X線検査の回数が、十数回におよぶ事があります。

検査の回数が多くなれば、放射線被ばくによる影響が心配ですが、表に示すように、一番頻度の多い胸部X線撮影による被ばく線量は、自然放射線(年間)と比較してとても少ないので、検査の回数が多くなっても、放射線被ばくによる影響を心配する必要はありません。

検査名典型的実効線量(mSv)胸部X線撮影に換算(枚)自然放射線に換算(期間)
肋骨・関節X線撮影<0.01<0.5<1.5日
胸部正面X線撮影0.0213日
頭蓋骨X線撮影0.0639日
胸椎X線撮影0.7354か月
腰椎X線撮影1.0505か月
股関節X線撮影0.4202か月
骨盤X線撮影0.7354か月
腹部X線撮影0.7354か月
食道透視1.5758か月
胃透視2.613015か月
注腸7.23603.2年
頭部CT2.010010か月
胸部CT84003.6年
腹部・骨盤CT105004.5年
骨シンチ42001.8年
肺血流シンチ1506か月
腎シンチ1506か月

放射線による人体への影響には、しきい線量のある確定的影響以外に、確率的影響と呼ばれるものがあります。

これには、がん、白血病や遺伝的な障害などがあります。

この確率的影響は、しきい線量がなく、被ばく線量の増加に伴って、これらの影響の発生する確率が、上昇するものです。

原爆やチェルノブイリ事故の被ばく者などの大規模な調査研究で得られた疫学データなどを通して、低い放射線量の健康への影響が、次第に解明されつつあります。

それによると、線量とがん発生の関係は、およそ100mSv以上では、線量とともにリスクが上昇することが明らかになっています。

しかし、100mSvより低い線量では、リスクが上昇するかどうか証明されていません。

また、一度に多くの線量受けたほうが、少ない線量を長期間にわたって受けた場合より、トータルが同じ線量でもリスクが大きくなることもわかっています。

しかし、通常の検査では、この影響が出始める被ばく線量(100mSv)に達することはありませんので、これらの影響を心配する必要はありません。

生活の中のいろいろな原因(酒や喫煙など)によるリスク(寿命の短縮)を、統計的に比較したものを下に示します。

放射線被ばくより喫煙や暴飲暴食のほうが、健康に与える影響が、はるかに大きいことがわかります。

原因平均寿命より短くなる日数
独身男性3500日
タバコ(20本/1日)2250日
独身女性1600日
太りすぎ(20%)900日
パイプ・タバコ400日
自動車事故207日
130日
医療X線検査11日
自然放射線8日
コーヒー6日

原因と寿命の短縮(BERNARD.L.CHOHEN. I・SING. LEEの文献から一部抜粋)

医療に利用される放射線は、母乳には全く影響を与えませんので、安心して検査を受け赤ちゃんに母乳を与えて下さい。ただし、核医学検査を受ける場合は、医師と充分話し合って下さい。

造影剤を使用することで病変を明確に描出し、正確な判断をするためです。造影剤はエックス線を透過しにくいため、身体の中に注射することによってCT画像にコントラストがつき 見やすくなって小さな病変や広がりも判断が可能になります。

胃の検査に用いられるバリウムのような飲む造影剤でも、まれに副作用が現れることがあります。特に便秘などが心配なときは、医師に相談してください。 

また、身体の中に注射する造影剤は、ヨード過敏症やアレルギーの病気に罹ったことがある人、腎臓の機能が悪い人などに使うと、副作用が現れることが あります。症状としては、じんましん、手足のむくみ、かゆみ、吐き気、胸が苦しい、めまい、呼吸困難、声がれ、せき、喉のイガイガ感、頭痛などです。

これらの症状 は注射をしてすぐ出るものと、一時間から数日後に現れるものもあります。検査をする前に医師から充分な説明を受けて下さい。